エアコンの暖房が効かない|北海道で多い原因と、真冬に壊れる前の点検

北海道でエアコンを暖房に使うのは、11月から3月までのおよそ5か月間です。冷房を使う期間の何倍にもなります。エアコンにとって、実は冷房より暖房のほうが長く、そして過酷な仕事です。

その暖房が、真冬に止まったらどうなるか。道内の修理業者が最も混み合うのは12月から2月です。部品がメーカー在庫切れなら、入荷を待つ間ずっと暖房なしということも起こり得ます。

だからこそ、シーズンに入る前に一度確認しておく価値があります。ここでは「これは故障ではない」という紛らわしいケースの見分け方から、北海道で実際に多い原因、そして今のうちにできることまでを整理します。

まず切り分ける。温風が止まるのは「霜取り運転」かもしれません

暖房中に急に温風が出なくなり、室外機が止まって湯気が上がる。これを故障だと思ってご連絡いただくことが、毎シーズンあります。その多くは霜取り(デフロスト)運転という、正常な動作です。

暖房のとき、室外機は外の空気から熱を奪っています。熱を奪われた室外機の熱交換器は外気より冷たくなり、空気中の水分がそこで凍りついて霜になります。霜が育つと空気を取り込めなくなるため、エアコンは一時的に暖房を止め、冷媒の流れを逆にして霜を溶かします。これが霜取りです。

パナソニックの解説によると、霜が付きやすいのは外気温が5.5℃から−7℃の範囲で、湿度が高いとき。霜取りにかかる時間は最長で12分程度とされています。

北海道では、暖房シーズンがまるごとこの温度帯に入ります

ここが本州向けの記事と決定的に違うところです。気象庁の平年値(1991〜2020年)による札幌の月平均気温を並べてみます。

月札幌の平均気温霜がつきやすい帯(5.5℃〜−7℃)
11月5.2℃入る
12月−0.9℃入る
1月−3.2℃入る
2月−2.7℃入る
3月1.1℃入る

暖房を使う5か月が、すべて霜のつきやすい温度帯に収まっています。しかも北海道は日本海側で、冬の湿度が高い日が続きます。「霜取り運転はときどき起こります」という本州基準の説明とは、起きる回数がまるで違うということです。

つまり道内では、暖房中に温風が止まるのは日常的に起きることだと思っておいて構いません。

霜取り運転中に、電源を切らないでください。途中で止めると霜が残ったまま次の暖房運転に入り、霜がさらに厚くなって効きが落ちます。温風が止まっても、運転したまま待つのが正解です。

正常な霜取りと、そうでないものの見分け方

症状見立て対応
温風が止まり、5〜12分ほどで自然に戻る正常な霜取り運転そのまま待つ。何もしなくて構いません
運転ランプが点滅する(エラー表示は出ていない)霜取り中のサインであることが多い戻るか様子を見る
室外機から白い湯気が上がる溶けた霜が蒸発しているだけ煙ではありません。正常です
霜取りが終わっても温風がぬるい冷媒不足や目詰まりの可能性点検をご相談ください
霜取りばかり繰り返して、暖房の時間が短い室外機の設置環境か、機器側の不具合点検をご相談ください
エラーコードが表示されて停止する故障ですコードを控えてご連絡ください
室外機が雪や氷に埋もれている霜取りしても追いつきません除雪と、設置の見直しが要ります

北海道で暖房が効かなくなる原因

1. 室外機が雪や氷に埋もれている

最も多い原因です。室外機は外の空気から熱を取り込んでいるので、吸い込み口や吹き出し口がふさがれると、暖房能力がそのまま落ちます。屋根からの落雪、除雪した雪の置き場所、吹きだまり。設置場所によっては、毎年同じところが埋まります。防雪フードや架台のかさ上げで解決できる場合が多く、kitanoAir は空調工事も本業なので、洗浄や点検のついでに設置の見直しまでご相談いただけます。

2. 冷媒(ガス)が減っている

見落とされやすいのがこれです。冷媒が減ると、冷房より先に暖房のほうに症状が出ることが多くあります。暖房は外気温が低いほど厳しい条件で熱を集める必要があるため、冷媒の量が少し足りないだけでも能力が落ちやすいのです。

「夏はちゃんと冷えていたのに、冬になったら暖まらない」。この訴え方をされる場合、冷媒漏れを疑って点検します。洗浄では直りません。なお冷媒は消耗品ではないので、減っているならどこかで漏れています。補充だけして終わりにすると、また同じことが起きます。

エアコンの室外機にマニホールドゲージをつなぎ、冷媒の圧力を測っている様子
冷媒の圧力を測って、量が足りているかを確かめます。冷媒の不足は洗浄では直りません。

3. 熱交換器やフィルターの目詰まり

室内機のフィルターと熱交換器、そして室外機の熱交換器。ここにホコリや綿ぼこりが詰まると、熱のやりとりができなくなります。暖房の効きが「数年かけてだんだん落ちてきた」という感じであれば、これが原因のことがあります。この場合は洗浄で改善が見込めます。

4. 寒冷地向けの機種ではない

一般地向けのエアコンは、外気温が下がると暖房能力が大きく落ちる設計です。本州から移設してきた機種や、価格重視で選んだ機種が道内の真冬に力不足になることがあります。この場合は故障ではないため、修理でも洗浄でも解決しません。買い替えか、他の暖房との併用を検討することになります。kitanoAir では、直せないものを「直せます」とは言いません。

5. 室外機の周りに物が置かれている

夏のあいだに物置代わりになっていたり、草が伸びて吸い込み口をふさいでいたり。雪が降る前に一度、室外機の周囲を空けておいてください。前後左右にこぶし2つ分ほどの隙間があれば、風の通りは確保できます。

室外機の雪対策は、雪が降る前にしか打てません

原因の1番目に挙げた「室外機の埋没」は、毎年同じ場所で同じように起きます。一度埋まった家は、対策しなければ翌年も埋まります。そして対策できるのは雪が積もる前だけです。1月に相談をいただいても、その冬はもう除雪でしのぐしかありません。

どこから雪が来るかを、先に見ておく

  • 屋根からの落雪:室外機が軒下にあると、落ちてきた雪が一気に積み上がります。重みで室外機が傾くこともあります
  • 除雪した雪の置き場:玄関前や駐車場の雪を寄せる先が、たまたま室外機の横というお宅は少なくありません
  • 吹きだまり:建物の角や塀の風下は、降雪量以上に雪が溜まります

打てる手は、だいたい3つです

対策効く場面備考
架台でかさ上げする積雪で下から埋まる場合地面から高く据え直す。最も確実で、根本的な解決になりやすい
防雪フードを付ける屋根からの落雪、吹き込み吸い込み口・吹き出し口を覆って雪だけ防ぐ
設置場所そのものを変える落雪の直下にある場合配管の延長が必要になることがあります

kitanoAir は空調工事を本業としているため、洗浄や点検で伺った際に、その場で設置の見立てまでお伝えできます。「洗いに来ただけなので工事は分かりません」ということはありません。

真冬に壊れると、どうなるか

北海道でエアコン暖房が止まるのは、本州で止まるのとは意味が違います。

  • 12月〜2月は道内の修理業者が一年で最も混み合います。暖房が止まった家が一斉に連絡してくるためです
  • 部品がメーカー在庫切れの場合、入荷を待つことになります。年式が古い機種ほど、部品供給が終わっている可能性も上がります
  • 暖房が止まった家で、その期間を過ごすことになります。道内では健康や住宅(水道管の凍結)にも関わります

一方、9月から10月はこの業界がいちばん空いている時期です。日程の融通も利きますし、万一部品が必要になっても、真冬より余裕をもって手配できます。

シーズン前に、自分でできる3つのこと

  1. いま一度、暖房を回してみる
    これがいちばん大事です。20〜30分運転して、温かい風が出るか、異音がしないか、エラーが出ないかを確認してください。寒くなってから初めて気づくのと、今気づくのとでは、選べる手段の数がまったく違います。
  2. 室外機の周りを空ける
    物をどかし、草を刈り、冬に雪がどこから来るか(屋根からの落雪、除雪の置き場)を想像して、埋まりそうなら対策を考えておいてください。
  3. フィルターを掃除する
    夏に冷房で使ったホコリがそのまま乗っています。掃除機で吸うだけでも違います。

試運転は、できれば10月中に済ませてください。11月に入ると道内は一気に冷え込み、「暖房が効かない」というご連絡が増え始めます。

洗浄で改善するのは「目詰まり」のときだけです

暖房の効きが落ちている原因が熱交換器の目詰まりであれば、洗浄で改善が見込めます。特に室外機の熱交換器は、数年分の綿ぼこりや虫、草の種などで目詰まりしていることがあります。kitanoAir では室外機の洗浄を4,000円で承っています。

ただし前述のとおり、冷媒不足・機種の能力不足・圧縮機の不具合は、洗浄では直りません。kitanoAir はエアコン修理を本業としているため、洗ってどうにかなるものか、修理が必要か、買い替えるべきかを、現物を見て切り分けてお伝えできます。洗浄を売るために「洗えば直るかもしれません」とは言いません。

エアコン室外機の制御基板。コンデンサの頭が膨らんで割れている
室外機の基板。コンデンサの頭が膨らんで割れています。こうなると洗浄では直らず、部品の交換が必要です。

室内機側の洗浄については、北海道でエアコンがカビる理由で詳しく書いています。あわせてどうぞ。

エアコン暖房だけで真冬を越そうとしないほうが、うまくいきます

最後に、売る側としては言いにくい話を書いておきます。

エアコンの暖房は、外の空気から熱を集めてくる仕組みです。外が寒いほど集められる熱が減り、霜取りに取られる時間も増えます。つまりいちばん暖房が欲しい日に、いちばん条件が厳しくなるという性質を、原理的に持っています。

寒冷地向けの機種はこの弱点をかなり補っていますが、ゼロにはなりません。道内で灯油ストーブやFF暖房機とエアコンを両方持っているお宅が多いのは、無駄ではなく、むしろ理にかなった備えです。

使い分けの考え方

  • 春と秋、そして冬の日中:エアコンが得意な領域です。立ち上げてしまえば手がかからず、温度も一定に保てます
  • 真冬の朝晩、冷え込みが強い日:立ち上がりの速さでは燃焼式の暖房に分があります。無理にエアコンだけで押し切ろうとすると、電気代のわりに寒い、ということが起こります
  • 停電時:エアコンは動きません。北海道では停電と寒波が重なる可能性を前提に考えておく必要があります

「エアコンが効かない」というご相談のうち、一定数は故障でも汚れでもなく、その機種にその日の条件が厳しすぎたというケースです。点検に伺ってそう判断した場合は、そのとおりお伝えします。直せないものを直せると言っても、お客様にとっても私たちにとっても良いことは何もありません。

まとめ

  • 暖房中に温風が止まるのは、多くの場合正常な霜取り運転
  • 霜がつきやすいのは外気5.5℃〜−7℃。札幌の暖房シーズン5か月は、まるごとこの帯に入る
  • 霜取り中に電源を切らない。運転したまま待つ
  • 北海道で多い原因は、室外機の埋没・冷媒不足・目詰まり・機種の能力不足
  • 冷媒が減ると、冷房より先に暖房に症状が出ることが多い
  • 真冬は業者が最も混む。点検は9〜10月に
  • 洗浄で直るのは目詰まりのときだけ
  • 室外機の雪対策は、雪が積もる前にしか打てない
  • エアコンだけで真冬を越そうとせず、燃焼式の暖房と使い分けるほうがうまくいく

札幌・小樽・後志のエアコン修理・点検は kitanoAir へ

kitanoAir は北海道余市郡余市町を拠点に、札幌市・小樽市・余市町・倶知安町・ニセコ町など道央・後志エリアでエアコンの洗浄と修理を行っています。エアコン修理を本業としているため、洗浄で改善する症状なのか、修理や買い替えを検討すべき状態なのかを、その場で切り分けてお伝えできます。

  • ダイキン工業の業務委託と日立の特約店で、メーカー修理を担ってきた技術者が作業します(空調設備の現場歴7年以上)
  • 第二種電気工事士/第二種冷媒フロン類取扱技術者/ガス溶接技能講習修了
  • 対応エリア内は出張費・駐車場代とも無料
  • 受付:8:00〜20:00(年中無休/20時以降はLINEのみ受付)
  • 電話 070-9136-3107/LINEで相談(写真を送っていただければ、おおよその見立てをお返しします)

暖房が効かない・エラーが出るときは、エアコン修理のページをご覧ください。症状から原因と修理費用の目安を調べたい方は、故障の自己診断もご利用いただけます。

内部の汚れやニオイが気になる場合の料金と作業の流れは、エアコンクリーニングのページにまとめています。

※ ダイキン工業は業務委託、日立は特約店での勤務です。現在、各メーカーとの資本関係・代理店契約はありません。

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出典